就活のオキテ

サカタカツミの、就活について、サクッと読めるけど、ほんのり役立つコラム。

就活は中小もみるべきか。

就活生が苦戦する理由を「そんなの選り好みするからだよ。大企業ばかり狙っても無理だろうし。もっと中小企業に目を向けないと」としたり顔をして話す人がいる。ミスマッチはそこで起きているというデータを示して、さらにドヤ顔をする人もいる。ただ、現場の実情を知っている人間からすると、一概に同意できないなぁとみんなが思っているはず。そう、中小企業だって入るのは難しいし、ミスマッチの根本にあるのは、実はそんなことではないのだ。整理しない状態で、いくつか書いておきたい。

まずは募集人数。中小企業が新卒採用を何百人という規模で実施することはない。話を聞いて回ってもぜいぜい十数人、少ないところだと三人程度というところもある。少し名の通った中小企業でもその規模なのだから、意外に狭き門であることがわかる。大企業とはそもそもの応募する人数が違うだろうという声が聞こえてきそうだが、大企業は記念受験や勘違い受験も多いので、本当の母集団は採用する人数を考えると大きくない。難関ではあるが、高い倍率は見えがかりのものなのだ。

一方で中小企業は、最近の「もっと中小企業にも目を向けるべきだ」という大合唱に比例して、受験者のレベルは上がり、受ける人も増加している。企業の知名度によって母集団の大きさは変わってくるが、それでも採用予定人数が少ないので、難易度は高くなっている。そう、もう中小企業に目を向けることは高望みを捨てる、ということではないのだ。もうひとつ、就活生が目を向けたくても、どこに存在があるのかわからないという中小企業も少なくない。そういう企業は人を募集しているが、とうぜん応募がない。

仕事に対するイメージもできないし、まったく知らない企業、しかも規模は小さく、と揃ってしまうと、目を向けろというのも酷な話だろう。そもそもそういう企業は新卒採用をする必要があるのか考えなければならないのだが、それも蔑ろにされた状態で、なぜか新卒を募集して「採れないなぁ」とボヤくという構図がある。イマドキの就活生は大企業ばかり狙っている人はレアだし、中小企業の多くは難関になりつつある。その事情を知らないで、就活生を責めるのは酷というものだろう。